7/31/2009

疫神社夏越祭(なごしさい)


31日、八坂神社の境内にある疫神社で行われる夏越祭をもって、一ヶ月にわたる祇園祭の行事はすべて終了です。私が立ち寄った時には既に神事は終わっていました。参拝者は2メールの茅の輪をくぐって、お祭りの無事終了のお礼と無病息災を祈願します。残った茅がいっぱい積まれていて、それを束ねて輪を作り、家の入口に掲げると、疫病除けとして「蘇民将来之子孫也」の護符と同様の効果があるといわれていて、皆さんその場で作ったり、茅を持って帰ったりしていました。

京都迎賓館2 和の素晴らしさ


截金(きりかね)という技法を初めて見ました。純金箔、プラチナ箔を細ーく(糸のように)切って、それを筆とのりを使って、模様を作るのです。江里佐代子さんという人間国宝の方の手による、気が遠くなるような細かい手仕事です。

     藤の間の舞台の大きなひのきの扉に施されたきりかね


桐の間(大広間)にある長さ12メートルの漆塗りの座卓。ぴかぴかに輝いていて、後ろの障子が映りこんでいます。

          釘隠し

この他にも象嵌、螺鈿や、竹細工、欄間や襖、障子、壁など、これ以上は考えられないというほどの、超一流の方の手による、伝統芸能の集大成という感じでした。最先端技術を後世に残すという意味では、この迎賓館の存在価値があるのかもしれませんね。でも海外の来賓の方々に、そこまで鑑賞していただけるのかしら?と疑問に思いました。もっと現在を生きる我々日本人にじっくりと見せていただきたいものです。今回の一般公開といっても、ほんの一部分ですし、佐野藤右衛門さん作の広いお庭も見たいなぁ・・・

7/30/2009

京都迎賓館1

7月21日からの10日間だけ迎賓館が一般公開されるという情報を得て、早速往復ハガキで申し込み、首尾良く当選して(何年も当たらない人もいるらしい)見学してきました。荷物チェックを受け、持ち物はカメラを除いてすべてロッカーに預け、各自番号札をつけるという厳重な扱い。警備の人が多く、ちょっと居心地が悪い感じの中、見学さ・せ・て・いただきました。写真を撮っていい場所が決められていて、フラッシュは厳禁! ところが携帯とかコンデジで自動的にフラッシュが焚けてしまう人、多数。その度に警備員が飛んで来て注意したり、どうしたらフラッシュを止められるのか操作方法がわからず(迎賓館を見学したいという人達は年齢層が高いということがここで判明!)教えたりと、対応が大変そうでした(国宝とか古いものではないので、フラッシュ焚いてもいいと思うけど・・・)。

     お庭を撮る場所も決められている(室内からのみ)

     晩餐会がおこなわれる藤の間

     藤の間から見た外の景色(室内からのみ撮影可)

     日本の四季の花を織り込んだつづれ織(西陣織)


ここは平成17年に、京都御苑内に造られたもので、小泉首相とブッシュ大統領の会談にも使われたそうです。確かに現代の粋を集めたりっぱな建物ではありますが、まだ新しいせいか、どうも違和感を覚えます。京都御所や二条城など、他にも歴史的に古い多くの素晴らしい場所があるのにと思ってしまいました(セキュリティの問題とかあるんでしょうが)。

7/29/2009

干す

本来なら今頃はカーッと太陽が照りつけ、虫干しにはもってこいの時期です。毎年いろいろなお寺でこの時期、貴重なお宝を本堂いっぱいに拡げて虫干しをしますが、今年はお天気とにらめっこで大変ですね。


こちらは上京区にある尼寺、宝鏡寺の門前の傘干しです。別名”人形寺”としても有名ですが、普段は一般公開していません。このお寺の前にある傘屋、日吉屋さんは代々お茶の千家(近くに表、裏千家のお宅がある)の和傘製作を手掛ける由緒正しい店で、この宝鏡寺の境内で、和傘を干すことを唯一許されているそうです。色とりどりの和傘が何ともいえず美しい姿をしていました。

7/28/2009

豪雨

関西地方、今年はまだ梅雨明けしてません。西日本は豪雨が続き、土砂崩れの被害にあわれた方々の悲報に胸が痛みます。毎年同じようなことが起こり、これだけ科学が進んでも、災害はなくなりません。これもまた異常気象なのでしょうか。


      法金剛院にて

京都でも晴れていたかと思うと、一瞬に暗くなり、スコールのような雨が降ります。あっという間に道路に水たまりができ、歩けなくなります。せっかく咲いた花も散ってしまいますね。

7/27/2009

南座狂言の会

      
待ちに待っていた、南座での茂山家一門による狂言の会です。それも今日(7月26日)一日、たった一回だけの公演です。出し物は”冥土有浮き世狂言(まいどおおきに うきよのおしばい)”。現世では宗教が盛んになって、亡者が皆、極楽へ行ってしまうようになり、経済的に行き詰まって困りはてた閻魔大王が、現世からあの世への入り口、六道の辻へ出向き、亡者を地獄へ勧誘したり拉致しようとするという奇想天外なお話です。現世とあの世を自由自在に行き来できたという小野篁や、悪事を働く鬼を捕まえる帝釈天や、盗みを閻魔様に依頼された石川五右衛門、最後には福の神まで出てきてます。狂言の衣装で舞いながら、謡いながら、ギャグあり、皮肉あり、歌舞伎風に六方を踏んだりと、サービス精神旺盛です。90才近い千作さん、千之丞さんをはじめ茂山一門総動員の他、落語家の桂南光さんの特別出演もあり、いつもながら、お客さんを笑わすというより、演じている人達が楽しんでいるという雰囲気で、うっとうしいお天気を吹き飛ばすにはもってこいの舞台でした。

7/26/2009

キーやん追っかけ その4


祇園祭の山鉾を見て廻っている時、偶然にも、木村英輝の作品に遭遇しました。室町通りにある帯問屋「誉田屋源兵衛」が去年創業270年を記念して作成を依頼したもので、270匹の鯉(今年は271年目で一匹描き加えたとの事。ほんまかいな)が青空の下、気持ち良さそうに泳いでおりました。

7/25/2009

花笠巡行

昨日24日は”後のまつり”の花笠巡行でした。そう、まだ祇園祭は続いているのです。もともとは先の祭りと後の祭り、2回に分けて行われていた山鉾巡行が、交通事情などの理由で、昭和41年に17日の合同巡行に統一されたそうです。それで後祭りの意味や原型を伝えるために、祇園が中心となって、先斗町のお茶屋さんの組合、八坂神社婦人会、ボーイスカウト、花笠娘、小町踊りなど、女性や子供達の参加できる、花笠巡行を始めたのだそうです。八坂神社を出て、河原町、寺町、四条通りを通って、八坂神社に戻ってきます。

       太陽の照りつける暑い中での巡行でした

       子供みこしがたくさん続きます

   きれいどころがいっぱいで、とても華やかでした


八坂神社に戻った後、いろいろな舞や芸が奉納されます

 この激しい獅子舞を演じたのは若い女性達でした


     仕事を終えた子供みこし

7/24/2009

冷麺好き!


ベタッとした、サウナの中にいるような京都の夏の暑さの中、食欲も落ちてきます。こんな時にはのどごしすっきり!の冷麺に限ります。特に韓国冷麺の、あのゴムのような、半透明のつるっとした感触が大好きです。


ここはお気に入りのカフェの”李青”です。少し暗めの店内には李朝家具や焼き物が置かれ、韓国の美術工芸、仏教関係の本がずらりと並べられ、ゆっくりと読む事ができます。ここの冷麺はトッピングに肉、野菜がたっぷり入っています。もちろん、ビビンバもおいしいです。

ところで、京都では、いわゆる”冷やし中華”のことも冷麺と言うみたいなんです。もちろん、冷やし中華も大好きです。

        夏期特製冷麺
        こだわり冷麺  

これはよく行く百万遍の中華料理のお店”華祥”の冷麺です(冷やし中華)。京大の近くなので、学生さん達でいつも混んでいるし、ごちゃごちゃした狭いお店ですが、ご主人はあの陳健民の元で長年働いていたそうで、お味は保証つきです。緑の美しい翡翠麺はほうれん草が練りこまれていて、それに白ごまだれか黒ごまだれ味があります。たっぷりのゴマにネギ、クラゲ、鶏が麺にからまって、普通にはない味です。

7/23/2009

屏風祭り

祇園祭りの楽しみの一つに各山鉾町の旧家や老舗が秘蔵のお宝を公開して見せて下さる”屏風祭り”があります。この時は、表通りに面している格子が外してあり、お宅の中がよく見えます。どちらもため息がでるほど、素敵なものばかりです。


         坪庭が素敵な吉田家





こういうものを、ちゃんと保存し、上手に活用している京都の人々の高い美意識と努力に脱帽です。

7/22/2009

みたらし祭り2

そして、なーんと物好きにも、同じ日夕食を外で済ませたあと、ほろ酔い気分(ビールとワインを飲んで)で一人、また下鴨神社へ舞い戻ってきました。夜の様子を見たいがために! ローソクの明かりも夜のほうが幻想的ですものね。酔っぱらって、冷たい水に入って大丈夫かいな?とちょっと不安がよぎりましたが、やはりあの感触は忘れがたく、またジャボジャボと・・・




7/21/2009

みたらし祭り1


土用の丑の日(今年は7月19日)の前後4日間、朝5時半から夜の10時半まで、下鴨神社では”みたらし祭り”が行われます。普段は絶対に入れない神聖な御手洗池に、この日ばかりはジャブジャブと入っていけます。入り口で200円払って、串に刺したロウソクをいただき、靴をぬいで川に入り、途中で点灯し、これを御手洗社(井上社ともいう)に献じて、無病息災を祈ります。

ここが入り口。水深は意外と深く、膝くらいまで水につかります。水は思ってたよりもずーと冷たくて、ひりひりしてきます。





その後、こんこんと湧いている清水(ご神水)をいただき、暑い夏を無事過ごせるように祈ります。水から上がってもしばらくは、足が冷え冷えしていて、しばし暑さを忘れます。足が引き締まって、細くなったような気がしました(なーんちゃって!)。

7/20/2009

限定スウィーツ

祇園祭の間だけ登場する和菓子やスウィーツがあります。


南観音山のある、おたべ新町店だけで販売される”おたべちゃんアイス”です(¥300)。他にも”おたべちゃん氷” ”おたべちゃん最中アイス”がありました。抹茶アイスとバニラアイスに、生八つ橋、カリカリ八ッ橋、つぶあんがトッピングされています。巡行を見ながら、店先で立ちながら食べました。ランチも抜きで追っかけをし、いい加減疲れ果てていた身体に、甘く冷たいものはピッタリでした。お陰で元気を取り戻しました。


これは山鉾の一つ”占出山”(うらでやま)の会所で売っています。この山のご神体である、神功皇后が川に釣り糸をたらし戦勝を祈願したところ、早速魚が漁れたので、この吉兆を大変喜ばれたという古事に由来して作られた和菓子、”吉兆あゆ”(5本¥1000)です。大極殿さんの特製で、鮎の形をしたカステラの様な生地の中に、モチモチとした求肥が入っていました。
まだまだ他にもあるようですが、それはまた来年のお楽しみ!

7/19/2009

優雅な人達


山鉾巡行で超混み混みの細い道、新町通り。人にもみくちゃにされ、警備の人に下がれ下がれと言われ、鉾を追いかけながら、ふと見上げると、そこには優雅に、おしゃれな布を下げ、粋に着物を着たりして、二階の窓から行列をながめる人達がいらっしゃいました。昔からそこに住み、祭りを支えてきた人達の関係者でしょうから、仕方ないか・・・



そのお宅の下で、知り合いの人とご挨拶をしている舞妓さんを目撃。本によると、祇園祭の時だけの期間限定で、舞妓さんは”勝山”という独特の髪型を結うそうです。写真に載っていたのと、同じ姿を見る事ができ、ラッキー!でした。

7/18/2009

解体作業

巡行から戻った山鉾は、その日のうちにすぐ解体されてしまいます。理由はもともと祇園祭というのは疫神怨霊を沈める祭礼で、巡行し終わった山鉾に集まった悪霊を取り払うために、即、解体するそうです。会所に戻ると、お囃子が最後に演奏され、手締めをして終了です。まだ興奮冷めやらぬうちに、ご神体、タペストリー、木枠、車輪などあっという間に片付けられて、もとの土台がむき出しになっていきます。8日間、追っかけをした身としては、一抹の寂しさを感じてしまいました。

        役目を終えた割竹を片付ける

        新たに足場を組み、屋根を解体する




        いろいろな役目の方々、お疲れさまでした