10/22/2009

電気の精


ラウル・デュフィの”電気の精”という壁画をみるためにパリ市立近代美術館を訪れました。高さ10メートル、長さ60メートルの大作です。地下の薄暗い大きな部屋に入ると、わあっと絵が飛び込んできて息を飲みます。


この絵は1938年 パリ電気供給会社の社長さんの依頼で、パリ万国博覧会のパビリオン光の館のホールの装飾としてフレスコ画の巨大壁画”電気の精”を描いたものです。古代から現代までの電気の歴史がつづられていて、画面下にはアリストテレスからエジソンまで、科学の進歩に貢献した110人の科学者たちが集い、画面上にはそれぞれの時代と文明の変遷が描かれています。ただし70年も前のものですから、今の時代のコンピューターや電話、テレビなどはもちろん存在しません。



デュフィはもともとデザイナーとして活躍していたこともあり、透明感のある水彩画が多いのですが、この壁画は油絵です。でも彼特有の描き方で、色を先にのせ、その上にふわっと線描きをして、色の鮮やかさや透明感を出しています。さすがデザイナーだけあって、配置や色のバランスがすごくおしゃれです。一日中見ていても飽きないくらい好きな絵でした。科学に詳しければ、もっとおもしろいでしょうね。残念!

     パリの名所がちりばめられています。
     彼がよくモチーフとして描く楽団や楽器の絵もいいですよねー。

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